ブックタイトル森林のたより 818号 2021年11月

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概要

森林のたより 818号 2021年11月

岐阜県森林研究所●大橋章博●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー33ー2585森林研究所までツリーシェルターがスギ苗木の成長に及ぼす影響図1使用したツリーシェルター左:ハイトシェルターH S、中:サプリガード、右:幼齢木ネット図2樹高、根元直径、比較苗高の推移高は通常40~60程度であることと比較すると、ハイトは、かなり高い値です。これは、苗木がシェルターと支柱に常に支えられていることで根の発達や幹の肥大成長が促進されなかったためと考えられます。現状のままでは自立することは難しく、ハイトの撤去時期は他に比べ遅くなると考えられます。次に、資材の破損状況をみると、幼齢木ネットは資材を設置した1年目の冬に積雪により支柱が55本折損する被害を受けました(本試験では、支柱を交換して試験を継続)。また、5年目の冬には雪で倒伏する被害がハイトで14本、サプリで4本、幼齢木で8本発生しました。雪害の発生には微地形が大きく影響するので、今回の結果だけで資材による雪害の受けやすさを一概には判断できません。しかし、支柱が細い幼齢木や比較苗高が高いハイトが雪害を受けやすいことは確かなようです一。方で、サプリはネットの目合いが6mmと大きいため、枝の飛び出しが多く発生し、他の資材と比べて樹形異常を招きやすいことがわかりました。おわりに各資材には一長一短があるので、各資材の特徴を理解した上で設置するとともに、設置後は定期的に見回りを行って、樹形異常や雪害の発生を早期に発見し、対処することが必要です。はじめに岐阜県下ではニホンジカの個体数が増加しており、植栽する際には防鹿柵やツリーシェルター(以下、シェルター)による対策が必要となっています。防鹿柵では資材が破損すると対象地内の全植栽木が被害を受ける危険性があることから、シェルターを選択するケースが増えています。シェルターには多くの製品があり、設置場所に応じた使い分けができるとよいのですが、各資材の特徴を十分に把握できていません。そこで、タイプの異なるシェルターをスギ植栽木に設置し、苗木の成長に及ぼす影響等を調査しています。今回はその結果を紹介します。苗木の成長経過試験は郡上市大和町内のスギ造林地で行いました。使用したシェルターは、ハイトシェルターHS(以下、ハイト)、サプリガード(以下、サプリ)、幼齢木ネット(以下、幼齢木)の3種で(図1)、各100本ずつ設置しました。植栽後5年間の苗木の成長経過を図2に示しました。樹高は、どの資材でも3年後にはシェルターの高さ(170cm)を超え、5年後には3mを超えるなど、同様な傾向を示しました。根元直径は、シェルターにより差がみられ、5年後には、幼齢木で53・1mmであったのに対し、ハイトでは36・5mmと大きな差が見られました。苗の健全度の指標となる比較苗高(樹高/根元直径)は、5年後に幼齢木では65・8に対し、ハイトは90・4と非常に高くなりました。スギ苗の比較苗があるので、た上で設置す定期的に見回や雪害の発生することが必06020401回目2回目死亡率(図1ウッドスターの殺虫効果ウッドスター無処理???????????????当初?年後?年後?年後?年後?年後比較苗高?????????????当初?年後?年後?年後?年後?年後根元直径?????????????????????????当初?年後?年後?年後?年後?年後樹高????ハイト幼齢木サプリMORINOTAYORI17