ブックタイトル森林のたより 818号 2021年11月

ページ
20/22

このページは 森林のたより 818号 2021年11月 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 818号 2021年11月

国有林の現場から61国有林の森林鉄道過去に敷設された全国の国有林森林鉄道は、現在把握されているもので1251路線・8928kmに及び、うち中部森林管理局管内(岐阜・長野・富山・愛知県)では135路線・1076kmに及びます。昭和30年代に入ると、道路網の整備に伴い、より機動的なトラック運材に置き換わり、森林鉄道は次第に廃止されていきました。●車両車両の種類は、木材を運搬する運材台車、それを牽引する機関車、作業員を運ぶ客車があります。最初は、動力のない台車に木材を積み自重で勾配を下っていた「軌道」というものが多く開設されましたが、輸送量の増大から、蒸気機関車が牽引する「鉄道」になっていきました。戦後は、蒸気機関車がディーゼル機関車に置き換わりました。「軌道」においても、空の台車を回送するガソリンカーやモーターカーなどの小型動力車が導入されました。なお、森林鉄道の等級には林道と同様に1級と2級があり、最小半径や勾配、軌道幅などの規格により等級が分けられています。皆さんは森林鉄道をご存知でしょうか。現在はほとんど廃止され、屋久島の安房森林鉄道など2路線しか現存していません。今回は国有林の森林鉄道を紹介します。●森林鉄道の概要森林鉄道とは木材を運搬するための鉄道で、明治から昭和40年頃まで活躍していました。明治時代以降、ダム建設により木材の河川輸送が不可能になったことや伐採量が増加したことにより、森林鉄道が誕生しました。●岐阜県の国有林森林鉄道岐阜県内には42路線・約322kmありました。特に下呂市小坂町には御料林があったため、国鉄高山線の開通に伴い8路線・約67kmと多くの線区が開設されました。森林鉄道ではありませんが、昭和50年代まで地域住民の足となっていた北恵那鉄道も木材を運搬していました。県内でも森林鉄道にふれ合うことができます。中津川市川上夕森公園には、鉄橋の上にディーゼル機関車が展示されています。下呂市小坂町「ひめしゃがの湯」の駐車場にはディーゼル機関車が2両展示され、地元の森林鉄道研究会が保存活動を行っています。また、小坂町のサイクリングロードは小坂線の廃線跡に作られています。●詳しく知りたい方国有林の森林鉄道についてもっと詳しく知りたい方は、林野庁のホームページを閲覧してください。(岐阜森林管理署)●近代化遺産全国各地に残る森林鉄道車両や遺構は、後世に伝えるべき重要な遺産として、重要文化財や近代化遺産、林業遺産などに選定されています。蒸気機関車などの動力車は全国で70両ほど保存され、一部は動態保存されています。中部森林管理局管内の赤沢自然休養林にある森林鉄道記念館には、蒸気機関車が静態保存されています。理髪車という床屋専用の車両も展示されています。当休養林では、客車を牽引したディーゼル機関車が運行され、気軽に森林浴を楽しむことができます。昭和26年頃の小坂森林鉄道赤沢自然休養林の蒸気機関車「ひめしゃがの湯」駐車場夕森公園入口MORINOTAYORI 20