ブックタイトル森林のたより 818号 2021年11月

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概要

森林のたより 818号 2021年11月

霊峰白山の山懐深く、その森は静かに季節の移ろいの中にあります。「白山・白川自然休養林」という名称もあるようですが、大白川というこの地を流れる川の名前がそのままこの森の名前として呼ばれています。白山の平瀬登山道(大倉尾根)の登山口にあたることから、登山者にとっては通過地点ともなっています。最近はコロナ禍の影響もあってか、アウトドアの人気が高まっているようです。登山に行く、釣りに行く、キャンプに…。目的と行動は明快で分かりやすい。でもたまには、森をゆっくりと散策する、何も考えずに森の中に身を置く、そんな時間もあっていいと思いませんか?今朝は森の笹の上には霜が降りているだろうか…。【森林のたより編集担当】森と水を巡る旅清流の国ぎふ津頭悵別暁風寒柔櫓声残岸樹間蓬窓依約藤城雪別至藍渓第一湾美濃市の赤いつり橋(美濃橋)の下手に川湊灯台があります。藍渓(長良川)一の港と言われた上有知湊の跡です。上有知湊は、美濃和紙の出荷港として名を馳せましたが、木材の中継地としても重要な港で、郡上の山々から筏で流送された木材は、この港で組み直され、岐阜、伊勢湾へと送られていきました。昔、そんな筏乗りの最後の世代の方にこんな話を聞いたことがあります。「筏乗りはええけど、帰りは重い櫓を担いで美並まで歩いて帰らなあかん。途中で櫓を捨てたろかと思った」と。冒頭の漢詩は、江戸末期、上有知領(現在の美濃市)で豪庄、文人として活躍した村瀬藤城がその師である頼山陽を上有知湊で送った惜別の詩ですが、まるで長江の港で友人「孟浩然」を送った「李白」の漢詩を彷彿とさせます。水森MORINOTAYORI5