ブックタイトル森林のたより 819号 2021年12月

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概要

森林のたより 819号 2021年12月

普及コーナー■岐阜農林事務所吉田宗平岐阜地域における早生樹育成に向けた取組みについて山県岩試験地(岐阜市)について早生樹の岐阜県への導入の可能性を検討するため、岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム及び県が、令和元年12月に岐阜市山県岩地内の山林に、センダン及びコウヨウザンを植栽しました。面積およそ0・7ヘクタールに、センダンを約100本、コウヨウザンを約1130本植え、獣害防止のためのツリーシェルター(Tubex及びサプリガード)も併せて設置しました。では30メートルになります。暖地の海岸近くに自生し、街路樹や公園などでもよく見かけます。木材はケヤキの代替材として、加工性やデザイン性にも優れているとされています。コウヨウザンはヒノキ科コウヨウザン属の常緑高木の針葉樹です。高さは大きいものでは30メートル、太さは直径1メートルになるものもあります。中国原産とされ、中国や台湾などでは主要な造林樹種となっており、木材は建築用材などとして広く利用されています。日本には江戸時代に渡来し、暖地によく植えられています。岐阜県内でも公園や寺社などに単木的に植栽されています。木材は材質試験でヒノキと同等の値を示すとの報告があるほか、強い萌芽再生力など再造林の低コスト化にもつながる樹種とされています。▲センダン▲山県岩試験地▲コウヨウザン戦後植栽された人工林が本格的な収穫期を迎え、今後岐阜県においても主伐が進んでいくとみられています。森林資源を持続的に確保していく観点から、主伐後の再造林が重要な課題となっています。一方で造林において、初期作業である植栽や下刈りは多額の費用を要し、この費用の回収ができるまでの期間が長いことが、森林所有者が主伐後の再造林に取り組みにくくなる要因のひとつとなっています。そうした中、20~30年という比較的短い期間で木材としての利用が可能になるというセンダンやコウヨウザン等の早生樹が、造林樹種の選択肢として注目を集めつつあります。林野庁でも令和2年に、主に西日本において植栽された早生樹の栽培技術に関する情報をガイドラインにまとめたところです。岐阜県においても早生樹の活用について調査・研究を進めるために県内各地に試験的に早生樹を植栽し、生育状況等を調査しています。今回は岐阜地域における早生樹育成に向けた取組みについて紹介します。早生樹(センダン、コウヨウザン)についてセンダンはセンダン科センダン属の落葉高木の広葉樹です。高さはおよそ5~15メートルで、大きいものMORINOTAYORI 18