ブックタイトル森林のたより 821号 2022年2月

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概要

森林のたより 821号 2022年2月

普及コーナー河原誠二■恵那農林事務所林業改良指導員造林技術の普及の必要性を実感調査の結果、枯死に至った原因は所有者が自力で行った下刈りが不十分であったため、ササに被圧され弱ったところに根腐れが発生した、複合要因と考えました。ヒノキより耐水性の高いスギを植栽し、適期に下刈りを実施していれば、枯死に至らなかったと考えられる技術の問題であると思いました。調査の結果は資料としてまとめ、森林組合を通じて森林所有者へ伝えました。植栽時期の問題今回の枯死事例について森林研究所へ情報提供を行ったところ、植栽期が12月と遅かったため、昨年十分に成長できなかったことも原因として考えられるのでは無いかという助言を得ました。更に土壌の状況を把握するためB層まで掘って確認すると、非常に粘性が高く水はけが悪い状況でした。そのため今年8月の大雨により土壌内に長期間滞水したことが、水はけのよい土壌を好むヒノキの根腐れの原因と考えました。▲下刈未実施区域▲樹勢が弱い状況▲根腐れの状況▲粘性が高い土壌令和元年度に植えたヒノキが枯れた令和元年12月に植林した山のヒノキが枯れたので見て欲しいと、森林組合から電話がありました。電話で話をしながら枯れの原因は何だろうと考えます。原因が病気だとするとやっかいだな。でも現地は管内の苗木生産者から購入したヒノキコンテナ苗を植栽しているので、病害対策がされているから植栽後のものだな。それとも気象害か。と色々と考えます。当然電話で聞いただけでは分からないので、枯死原因を究明するため現地調査に出かけました。現地調査の実施(R3・11・17)標高が600m程の尾根上にある現地に到着し全体を見渡すと、部分的に下刈りが行われず、ササで覆われていて植栽木が被圧された箇所がありました。枯死したヒノキは緩傾斜ほど多い状況で、枯死していないヒノキも葉量が少なく樹勢が弱い状況でした。次に土壌を調べてみます。枯死個体が多い箇所で、枯死したヒノキを掘り取ってみると根腐れが確認できました。MORINOTAYORI 16