ブックタイトル森林のたより 823号 2022年4月

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概要

森林のたより 823号 2022年4月

通信<ぎふ木遊館の『街と森林を繋ぐ巨人』>ぎふ木遊館に来館された方はご存じかと思いますが、館内には10種類12本の樹木が大胆にレイアウトされています。これらは、ぎふ木遊館建設にあたり、一般社団法人岐阜県林業経営者協会の会員の皆様からご寄贈いただいた立派な樹々です。どれも森林で生育していた時のダイナミックな樹形を来館者にも知ってもらえるよう、枝ぶりを残し、広葉樹については樹皮も付いたままになっており、『街と森林を繋ぐ巨人』と呼ぶにふさわしい姿で来館者を見守っています。木育ひろばの中央に大黒柱のような存在感を放つのは山県市美山のスギです(右写真上段)。根本から先端に向けてそそり立つような姿の樹を選んでいます。木育ひろばの絵本コーナーの前に並んで立っているのは、八百津町のコウヤマキと本巣市根尾のサワグルミです(右写真下段)。コウヤマキは1300年以上の歴史と伝統を誇る長良川鵜飼の船の材料となる樹木で、特徴的な枝の出方を見ていただくために先端に近い部分を使用しています。一方のサワグルミは、枝の広がりを表現するために樹高が低めで枝張りのよい樹を選びました。ゴツゴツとした樹皮付きで、鹿の食害を受けた痕跡を見つけることもできます。この2本の樹に掛けられたハンモックで子どもたちはゆらゆらと楽しんでいます。樹皮の付いている広葉樹は、子どもたちが触れることで表皮が剥がれていくことも想定しており、実際、子どもたちはペリペリとめくりたがります。めくってしまった樹皮は専用のBOXを設置してそこに入れてもらい、館内の装飾や木育プログラムに使用しています。先日、本巣市根尾からやってきた大きなトチノキの樹皮が乾燥に伴う収縮で大きくはがれてしまったので、それを使ってストラップを作る木育プログラムを開催しました。コルク層が分厚く、表面にコケが付いているトチノキの樹皮は、存在感抜群です。ランダムな形に小分けされた中から好きなカケラを選んで、紙やすりで滑らかな形に成形していきます。熱心に手を動かす子どもたちと保護者に少し耳を傾けていただいて、館内に立つトチノキの話、トチノキでできたおもちゃの話、トチノキが題材となった絵本の話などをしました。参加したみなさんの心の中にトチノキという樹の記憶が残り、持ち帰ったストラップを見るたびに今回の体験を思い出し、森林に想いを馳せるきっかけになってほしいと思います。MORINOTAYORI 10