ブックタイトル森林のたより 824号 2022年5月

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概要

森林のたより 824号 2022年5月

活かす知恵とを森林人112●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで樹木を見分ける?樹木を知るための一歩?岐阜県立森林文化アカデミー准教授●大洞智宏●樹皮木が大きくて葉を近くで見ることができない場合や落葉期には、枝の張り方や樹皮の様子が種類を見分けるポイントになります。しかし、いつでも観察ができる反面その見た目は木の大きさや個体によって変わる場合があります。このため、樹皮を使って種類を見分けるには葉や花によって見分けるより経験が必要になります。例えば、写真4は、上下ともトチノキの樹皮ですが見た目が大きく異なっていて別の樹種のように思えます。●知る楽しみ森づくりを行うためには樹木の見分けは必要不可欠な能力です。しかしそれだけでなく、樹木の種類が分かるようになれば、登山や森林での散策などで今まで気がつかなかったことを発見できたり、お気に入りの樹種を見つけて幸せな気分になったり、楽しみが倍増します。まずは、身近な樹木の葉や花がどんな形をしているのか改めて観察してみませんか。●樹木の姿一昔前までは、森づくり(造林)といえばスギ、ヒノキなどの針葉樹を植栽することが普通でした。しかし、森林への期待が多様化してきた現在、針広混交林や、天然力に依存した更新法に注目が寄せられています。しかし、これらの方法を実施するためには広葉樹の知識は欠かすことができません。なかでも、広葉樹の種類を見分ける能力は基本中の基本といえます。●葉の形樹木の種類を見分けるには、いろいろなポイントがありますが、葉の形を手がかりにする方法が最も取り組みやすい方法です。葉の形を中心に記載してある図鑑も多く販売されており、森林文化アカデミーの実習もここから始まります。葉で見分けるポイントは、枝にどのようなパターンで葉がついているのか、葉が分裂しているかどうか、葉の縁のギザギザの有無、毛の生え方などいくつかあります。実際に樹木を見る際には、葉の特徴だけでなく花や実、冬芽、樹皮などの様々な部分を観察することで見分けが容易になる場合があります。●花や実の形季節によって無い場合もありますが、花や実の形は見分けの重要なポイントになります。写真2の植物は葉が分裂していませんが、羽のついた果実があることでカエデの仲間であることが分かります。●冬芽の形落葉広葉樹は冬期に葉を落とすため、葉での見分けは困難になります。この時期にポイントになるのが冬芽です。冬芽は枝先などにある葉や花になる部分で芽鱗や未展開の葉に被われた部分です。あまり注意して見たことがないかもしれませんが、個性的で樹種を見分けることができます(写真3)。写真1いろいろな形の葉写真2チドリノキ葉・実写真3オニグルミ冬芽写真4トチノキ樹皮MORINOTAYORI13