ブックタイトル森林のたより 824号 2022年5月

ページ
15/22

このページは 森林のたより 824号 2022年5月 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 824号 2022年5月

とに植えたんよ。お陰で、下刈りは大変だったけど、間伐は今まで一回もやらんと、植えた木は大事に育てとるよ。父親は早くに死んでしまったが、一緒に植えた木を良いものにしたくて、枝打ちを6mぐらいまで、ぶり縄で2回ほどやって、今では枝下に背丈ほどあるシキビがようけ生えとるよ。(関ケ原町の)今須と一緒で、この辺でも枝打ちはぶり縄なんですね。■そうやな。枝打ちはぶり縄ばっかりやったな。梯子は使ったことないな。今須の(山本)総助さんや(山本)信綱さんらとともに、あの頃は、林業グループ同士の交流も盛んで、枝打ちをようやっとった。今では、そんなことする人もおらんようになってしまったけど。林業グループ活動にも色々と熱心に取り組まれていますが。■そうやな。年数を経て、色んな役もやらせてもらったね。お陰で、県内だけでなく、全国の林業地や林業関係者の方々と出会う機会に恵まれたね。あっちこっち本当に、よく行かせてもらったよ。なぜ、そこまで熱心になれるのでしょうか。■まあ、ずっと生まれ育ったこの地で関わってきた山と木が、それと山の恵みのキノコが大好きやっちゅうことかな。父親と自分が植えた木は、私ら・人間の営みに関係なく、休みなく自然に即して育っていっとる。そこにうちらが、良い山になるように時々手を加えとるだけやね。また、同じ集落内に製材所があって「あれ挽いてくれ、これ挽いてくれ」と色々と無理も聞いてもらえとる。すべてに愛着があるから、幾つになっても何をしても山は楽しいんよ。まだまだこれからも楽しみですね。■そうやな。僕らは山や木の楽しみ方を小さい頃から学んできたけど、今の子は、そんな機会もなくて、正直、ちょっとかわいそうやな。間伐体験なども大事やと思うけど、「1苗木を植えて、育てるという、一から山づくりに関われると、木とともに自分も同じように年齢を重ねられて、愛着が湧くんじゃないんかな。2そうしたら、もっと山に目が行くことになるんじゃないんかな。3そういう原体験・根っこになるようなことが人にとってはとっても大事になるんじゃないんかな。」そんなように思うよ。僕ら世代の厳しい子ども時代に比べれば、とても豊かな時代になったけど、そういうところも豊かになるといいなと、そう思っとるよ。「岐阜県緑化功労者」と「令和3年度緑化功労者(林野庁長官賞)」を受賞される!不破郡垂井町大滝地区に山林を所有し、山づくりを始め、長年、地域や県の林業グループ活動にも精力的に取り組まれ、昨年秋に「岐阜県緑化功労者」、さらには、「令和3年度緑化功労者((公社)国土緑化推進機構主催)」で「林野庁長官賞」を受賞される、同地区在住の山水國男さんにお話をお聴きしました。今回、栄えある賞を県だけでなく国からも受賞されますが感想を一言お願いします。■長いこと、山に関わってきたんやと、改めてこれまでのことを思い返しました。みなさんのお陰です、ありがとう。山との関わりは、いつ頃からですか。■中学に入った頃からかな。当時は、戦後間もなくの燃料革命前で、父親と一緒に持山のカナギを伐って、そこに造った炭窯の傍に建てた小屋に泊まり込んで、よう炭を焼いたよ。作業の合間には、山茶を採って火であぶって一揉みしてからヤカンで煮出して山吹色のお茶でひと息ついたもんや。また、春には小屋で山椒の新芽入りの味噌汁を、夏には自家製の茄子、秋にはマツタケやサンマなんかも焼いたりして、作業とともに山の暮らしを楽しんだんよ。今でもよう覚えとるよ。山づくりの方はどのようでしたか。■伐ったカナギ山に、スギやヒノキを父親と一緒に植えたよ。なるだけ手をかけないで済むようにと、3年生の苗木を買って、畑で2年育成し大きくしてから山に2間ご地域の人いくつになっても、やっぱり「山」が好きなんや!!山水國男さん【写真1】「山水國男さん(右から2人目)」(岐阜県緑化功労者表彰式にて)【写真2】父親と一緒に植え、自ら育ててきたスギ・ヒノキ林(下木はシキビ)【写真3】山林内で原木キノコも栽培(写真は「マイタケ」)●詳しい内容を知りたい方はTEL0584ー73ー1111内線(395)西濃農林事務所林業課林務係までMORINOTAYORI15