ブックタイトル森林のたより 824号 2022年5月

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概要

森林のたより 824号 2022年5月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー35ー2535森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター普及企画係まで「作業道におけるぬかるみ対策」については、講師から「路盤材が不良であるため、改善するためには、物理学的な指標を確認し、滑りにくい材質の路盤材をしっかり確かめた上で使用する必要がある」といったアドバイスがあったほか、「地質、地形の特徴からみた湧水対策のポイント」、「施業地全体の資源量や路網の状況からみた収支を想定した作業システムや施業計画」についてアドバイスをいただき、研修生は複数の対策を検討し、今後の方針を見定めることができました。「作業道の延長により利用間伐エリアを増やせるか」については、講師から地形、地質、林分の状況を考慮した複数の路線案が示されました。この路線案から、作業道開設の可否を検討しました。具体的には、「三角末端面等の、崩壊しやすい箇所や過去に崩壊した箇所を現地で確認」し、また、「目標とする収穫箇所に向けた線形案と、それに必要な構造」を議論しました。これにより、研修生は、作業道設計のための様々な視点を学び、事業地における設計方針を見定めることができました。「択伐林施業地における森林経営・施業の方向性」については、講師から、「地域内の個々の林分状況からみた実施可能な施業方法」、「歴史的価値としての他分野と連携」などについてアドバイスがありました。研修生は、地域内で異なる状況の林分に応じた施業提案をしていく方針を見定めました。また、歴史的価値を活かした取組みのためには行政や地域との連携の必要性を認識しました。○研修生の声今回、受講された研修生の方々からは、「自分の課題解決の方向性が見えるようになった」、「様々な意見を聞くことで、思い浮かばなかった考えができるようになった」、「他の研修生の現場を見ることで、普段とは違う面を学ぶことができた」といった感想をいただきました。○研修に対する評価研修の最後には、意見交換を行いました。講師の皆様からは、開催時期が遅い、受講者数が少ないなどのご指摘があった一方で、学術面だけでなく、経営面の講師がおり、時間をかけて、現場の課題に取り組んだことは良かった、研修生が望む内容であり、林業界のレベルアップにつながると思うといった評価をいただきました。最後に今年度、初めて実施しました「実践力向上研修」の外部講師として指導いただいた皆様には、オーダーメイドの研修内容に対して、多くの経験に基づく知見と見識により、臨機応変かつ濃密にご指導いただき、心より感謝いたします。令和4年度も引き続き「育成研修」と「実践力向上研修」を実施する予定です。大きな刷新のみならず、ニーズや社会情勢に応じて、林業業界の皆さまのご協力を得ながら、更なる改善にも努めてまいりたいと思っております。新型コロナの影響で、全14日のうち、初回と最終回を含む6日間は、オンライン実施とせざるを得ませんでしたが、森林調査や作業道図上計画といった実地での実施が不可欠なものは、集合して開催することができました。施業プランナー実践力向上研修○研修の目標は前述のとおり○令和3年度の研修開催状況1修了人数:3名2開催日数:5日○研修内容の紹介研修は10月から1月の間に実施しました。1日目に研修生から事業地と課題の説明があり、講師からの質疑を基に状況や問題点を整理しました。2日目から4日目は、実際に各研修生の現場へ行き、講師とともに検討しました。5日目は、各研修生による今回の研修を通じた課題解決案の発表がありました。講師には、幅広い視点でご指導いただけるよう学術的専門家、林業経営者、森林組合参事及び参事経験者、路盤等土質の専門家をお招きしました。研修生の課題は、「作業道におけるぬかるみ対策」、「作業道の延長により利用間伐エリアを増やせるか」、「択伐林施業地における森林経営・施業の方向性」でした。▲写真2研修生と講師による作業道検討MORINOTAYORI17