ブックタイトル森林のたより 825号 2022年6月

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概要

森林のたより 825号 2022年6月

通信<街で森とつながるモノづくり『スプーンクラブ』>森林文化アカデミー森林総合教育センターmorinosとの連携講座として新たに始まった『スプーンクラブ』を紹介します。スプーンクラブとは、イギリス・ロンドンの街の中で始まった活動で、「木工に関心があるのでちょっと体験してみたい」、「木を削って仕事のストレスを解消したい」、「気が合う仲間と会話を楽しみたい」、そんな人たちのために材料や道具はすべて用意されていて、会員登録した人たちが毎週夕方に工房に通ってきます。スプーンを削るのは楽しいばかりでなく心が癒やされる、仕事を離れて没頭できる・・・参加者からはそんな声も聞かれるそうです。そのスプーンクラブを岐阜でも始めようと、グリーンウッドワーク指導者養成講座の修了生等が運営に関わっている団体『グリーンウッドワーク・ラボ』からの企画提案を受け、森林文化アカデミーの木工専攻の学生も運営に関わりながら、ぎふ木遊館で講座を開催することになりました。いま全国的に人気のグリーンウッドワークは、伐ったばかりのみずみずしい生木を、斧やナイフなどの手道具で削って小物や家具を作る木工のことです。グリーンウッド=生木、ウッドワーク=木工です。現代の木工は電動工具や機械を使い、騒音や危険を伴うので趣味として始めるにはハードルが高いのですが、生木を手道具で削るなら音も小さく安全です。加工には木工用の斧とナイフを使い、経験のない方でもスタッフが丁寧に指導します。街中で普段は森や木に触れることの少ない人たちに気軽に楽しんでもらうことがねらいです。金曜の夜に仕事帰りにひと削り、日曜の午後にほっと一息しながらひと削り。楽しそうに削る大人の姿を子どもたちがガラス越しに木育ひろばから眺める。そんな光景がぎふ木遊館で見られる日も近いことでしょう。スプーンクラブの開催スケジュールは、グリーンウッドワーク・ラボが開設したWebページ(右の二次元コード)をご覧ください。今後、月に3~4回、定期的に開催する予定です。記念すべき第1回目は4月17日に木工室で開催しました。午前中に斧でのおおまかな整形が終わり、午後からはナイフを使ってさらに形を整えました。講師の久保田芳弘さん(久保田家具工房)から、刃を入れる角度や力の入れ具合をアドバイスいただきながら進めます。サクサク削れたときの手の感覚、削り屑から香るフレッシュな木の香り、「シュッシュッ」という小気味の良い音。木と向き合い、無心になって削っていると、いろいろな感覚が研ぎ澄まされるようです。2回目は4月24日にテラスで開催しました。木遊館は軒が深く作られており、多少の雨でもテラスで活動できます。この日も雨天でしたが、シトシトという雨音の下で木を削るのも、なかなか乙な体験です。昼休みには久保田さんが実演し、参加者が午前中かけた斧の行程を、慣れた手つきで20分程度で仕上げました。こうした技を見ながらコーヒーを飲むのもいいですね~と参加者同士、話が盛り上がりました。ある参加者は「丸太を割るところからの体験は驚きに近いものがありました」とこの体験の価値を評価していただきました。また、別の参加者は「(子育てが終わり)木遊館は子どもと一緒じゃないと来れないと思っていました。友達を誘ってまた来たい」とおっしゃってくださいました。森の樹から暮らしの道具を自分の手でつくる楽しみを味わい、その楽しい時間を仲間と共有できる場を、ぎふ木遊館で提供していきたいと思います。MORINOTAYORI 8