ブックタイトル森林のたより 826号 2022年7月

ページ
18/22

このページは 森林のたより 826号 2022年7月 の電子ブックに掲載されている18ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 826号 2022年7月

普及コーナー令和の時代に、新たな「今須の林業」が芽吹く!~現役世代有志たちの取組が始まる~林業普及指導員柘植孝久■西濃農林事務所を得て、令和3年10月、同館でギャラリー企画展「関ケ原町展~キセキの木目『今須杉』」が開催されました。企画展では、旧今須小中学校の中学3年生が社会科で製作・販売した作品やメンバーが育てている今須スギの苗木、今須林業を紹介するパネル等を展示し、今須杉を通じて地域のアイデンティティーを育んできた、ぎふ木育にも共通する取組を紹介されました。なお、企画展の開催状況は、関ケ原町もカバーする地元ケーブルテレビでトピックスとしてメンバーへのインタビューとともに生放送されました。次の世代に森林づくりをつなげる!~「今須スギ」の苗木を植える~今須では、古くから地域内に自生する優れた形質の今須スギや今須ヒノキの母樹から種子を採取し、実生育苗により4年生の70~90センチのに根付いた方々で構成されています。プロジェクト設立後、現在まで、特に「今須杉」のPRに努めてこられました。こうした中、今須のような特色ある森林づくりの事例について学ぶため、令和3年12月、郡上市白鳥町に約50haの森林を管理する和田光雄さんと県白鳥林木育種場を一緒に訪れました。和田さんは、全国各地から雪に強く、また通直完満なスギの優良品種を選別し、自ら育てたおよそ20種の挿し木苗を植栽して造り上げた美林を前に、「何事もやってみることが大切だ」と森林づくりにかけるその信念を熱く、またとても丁寧に教えてくださいました。また、県白鳥林木育種場では、林木育種の重要性から、当場で育成しているエリートツリーまで、「育種のいろは」を教わりました。今須のことを多くの方に知ってもらう!ぎふ木遊館及び関ケ原町の協力▲【写真1】和田光雄さんの森林にて▲【写真2】「ぎふ木遊館」の企画展で「今須杉」をPR関ケ原町今須地域では、幕末以降、林業と製材業が一体となり、地域内で「伐って、植えて、育てて、使う」の、正に令和の現代に求められている「持続可能な森林経営」が単木択伐林施業により長きに渡り実践され、それらは「今須林業・今須杉」として広く知られてきました。しかし、時代や生活様式の変化とともに、社会・消費者等の木材へのニーズも変わり、また、過疎化の進行等も重なって、多くの手間と時間を必要とする単木択伐林施業は、少なくともここ数十年は、ほとんど見られなくなりました。さらには、世代交代も進み、関係者等も山への足が遠のき、先人たちが手塩にかけて育成してきたそうした森林も、その森林を活かし続ける技術の継承等も途切れる一歩手前、限界に来ています。そうした中、地元・今須の有志の方々が「何とかしたい」との思いから、できるところから行動を始められましたので、その一部を紹介します。一から、森林づくりを学ぶ!平成28年9月。地元・今須の有志5名の方々で構成する「『imasu』プロジェクト」が立ち上がりました。メンバーは、製材業が主体で今須独特の方法(「写真4」参照)で素材生産も行う方、製材業、建築業など、地元MORINOTAYORI 18