ブックタイトル森林のたより 826号 2022年7月

ページ
19/22

このページは 森林のたより 826号 2022年7月 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 826号 2022年7月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0584―73―1111西濃農林事務所まで木材生産や森林整備において、作業道などの森林路網は重要な基盤です。森林路網の配置や線形計画は、その後の効率的な木材生産や適切な森林管理に繋がる重要な工程ですが、壊れにくく素材生産に適し、かつ開設コストも抑えた線形を計画するのは、地形を読み取る技術と経験が必要です。さらに現地での踏査・確認は多くの時間と労力を要する作業です。県はスマート林業推進の一環として、路網設計の効率化と誰もが一定の水準での路網設計が可能となることを目指し、「路網設計支援ソフト(FRD)」(以下FRD)を森林整備課(現森林経営課)、森林文化アカデミー、及び森林研究所に導入しました。「FRD」は、地形や資源情報に基づいた適切な路網配置案を誰でも一定の水準で作成できる「路網設計支援ソフト」です。今回導入した「FRD」は、路線検討などのために使用していただくことができます。そこで、森林文化アカデミーでは「FRD」の操作活用研修会を5月11日に開催しました。研修では、地形、森林簿、既設路網など解析の基となるデータの取り込みから、解析対象区域の設定、開設計画する作業道規格の設定、設計までの全工程について、参加者全員にソフトを操作してもらいました。参加された皆さんの関心は高く、「設定値と設計結果への影響」や「設計結果の出力形式」など多くの質問があり、時間が足りなくなるほどでした。研修翌日には、検討中の路線の設計を行うため使わせてほしいとの問合せもあり、有意義な研修になったと思います。「FRD」での路網設計に必要な詳細な標高と既設路網のデータは、森林研究所で作成済みです。FRDに限らず、森林管理などでこれらのデータが必要な方は左記までお問い合わせください。スマート林業通信路網設計支援ソフト操作活用研修開催●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー35ー2535森林文化アカデミースマート林業推進係まで25▲【写真3】「全国育樹祭(H27)の森づくりリレーのために伐採した今須スギ」の切株周囲に植栽したスギ苗木▲【写真4】今須独特の搬出車両(ウインチ併用改造レッカー車)最後に「今須林業」は、高度な単木択伐技術とともに、特に「しゅもく(一般名「ぶり縄」)」を使い最終的には樹高の2/3程度(17m前後)まで打ち上げる卓越した「枝打ち技術」により、成り立ってきました。しかし、時代の流れとともに、そうした高所での作業など危険を伴う作業では、より安全性の高い作業方法が求められています。このため今後は、より安全性の高い作業方法の習得などにより、今須独特の単木択伐林施業技術の真髄の継承支援を通じて、令和の「今須の林業」の実現を目指し、メンバーと植えた苗木の成長とともに年輪を一緒に刻んで行けるよう取り組んでいきたいと考えています。大苗が植えられてきました。そうした中、令和4年5月、メンバーが5年前に伐採した今須スギから採種し、育成してきた実生苗木約20本を今須地内の森林に一緒に植えました。今須では、立木を1本伐れば、その切株の周囲に2~3本の苗木が植えられてきたことに倣い、切株や雪害により根返りした株の周囲を中心に植えました。作業を終えたメンバーは、「5年間、苗木を何とか育ててこられたのが、ようやく実を結んだ。でも、この苗木が「今須スギ」と呼ばれるようになる迄には、これから100年はかかる。だけど、今日の植栽が私たち世代における本当のスタートであり、ようやく自分たちにとって『植えて、育てる作業』に胸を張って携わっていると言える始まりの日だ。」と力強く話されました。MORINOTAYORI19