ブックタイトル森林のたより 827号 2022年8月

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概要

森林のたより 827号 2022年8月

普及コーナー揖斐の普及活動~森林組合の改革を中心とした木材生産量の増加と間伐の推進を目指して~林業普及指導員田口均■揖斐農林事務所これらに対して、森林組合では、以下の試みを行いました。1職員等の退職問題について給料の見直しを行い、待遇改善を図りました。2事業量の増大や効率化について・月給制の森林技術者の就業時間を見直し、事務所職員と同じとしました。・雨の日でも稼働出来る現場を作りました。・週1回作業班長も参加して、作業工程打合せを行うようにしました。・副班長制を導入しました。・月2回、月給制の森林技術者全員と事務所林産担当者で打合せを行うようにしました。各種研修によるアプローチ1有利採材研修の開催木材単価を上げるには、有利採材の目を養う必要があるため、県森連の赤池岐阜共販所長を講師に招き、揖斐管内の森林組合や林業事業体の森林技術者を集め、直近の木材市場価格を考慮し、どう採材すれば一番高く売れるのか、実際の素材生産現場で、有利採材研修を行いました。採材の仕方で、木の価格がかなり違う事を学んで頂きまこれらの会議では、間伐等森林整備がどうしたら進んでいくのか、木材生産量を増やすにはどうしたらよいか等の検討の他、森林組合の改革問題について、人材育成確保、組織運営、将来計画、執行体制、生産性の向上等に分類して洗い出し、どう対処していったらよいのか等の検討を行いました。○揖斐郡森林組合の改革について揖斐郡森林組合は、平成7年2月に、揖斐郡内の7森林組合が合併した広域森林組合で、平成14年から森林技術者の一部を月給制としましたが、平成19年頃から、月給制の森林技術者や事務所職員の退職者が出始めました。また、森林整備事業の進捗率が悪いため、森林組合では、次の点を課題・改善目標に挙げました。1各事業の売上高を伸ばしたい。2素材生産量を増やしたい。3林産事業の生産性を上げたい。4計画通り現場が終わらない。5高性能林業機械の更新が進まない。6数年先の現場のストックが乏しい。7事務所の人員を増やしたい。8下請けの事業体を増やしたい。等を挙げ、会議等で話し合いを行い、改善方針を検討しました。▲森林組合改革がやがや会議揖斐普及指導区は、岐阜県西部の揖斐郡3町からなり、森林面積は、75,549ha(森林率86%)ありますが、民有林の人工林は21,437ha(人工林率31%)と県平均の人工林率45%を大きく下回っています。造林が進んで来なかった理由としては、積雪量が2mを超える地域や、傾斜区分図で35度以上の森林が大半を占め、県下で最も急峻な地域であり、植林しても雪害や根曲がりにより、価格の高い木材が育ちにくく、林業では儲からないという意識が根強くあったためです。今回、森林組合の改革を中心に、いろいろな視点からアプローチして、木材生産性の向上と木材生産量、及び間伐事業量の増加を試みました。各種会議を立ち上げてのアプローチ1森林組合改革がやがや会議2揖斐森林経営推進チーム会議3森林整備等推進管理会議揖斐地域の林業経営の効率化や森林整備の推進及び木材生産量の増加により、林業の持続的発展及び森林の有する多面的機能の発揮に資することを目的として、前記1~3の会議を立ち上げて揖斐の林業や森林組合の方向性等を検討しました。紙面に限りがあるため、今回は、それぞれの会議の詳細は省略しますが、構成員は、揖斐川町、揖斐郡森林組合、いび森林資源活用センター、岐阜県森林公社、木曽三川水源造成公社、揖斐農林事務所職員等からなり、オブザーバーとして、岐阜県森林組合連合会職員にも参加をお願いして、意見を頂いております。▲有利採材研修MORINOTAYORI 14