ブックタイトル森林のたより 828号 2022年9月

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概要

森林のたより 828号 2022年9月

通信ぎふ木遊館では、「ぎふ木育」の実践者を対象に、森や木に関する知識を深めていただくための「ぎふ木育実践者スキルアップ研修」を年4回程度企画しています。今年度1回目のスキルアップ研修を、令和4年7月23日(土)にぎふ木遊館で開催し、ぎふ木遊館に「さとやまさん」として登録しているぎふ木育サポーターを中心に19名の方に受講していただきました。今回のテーマは「ぎふの木のおもちゃを学んで遊ぼう」。岐阜県産材のおもちゃとしておなじみの「TSUMIBOBO(つみぼぼ)」。その製作者である白百合工房(高山市)の上野望さん(右写真)から、つみぼぼの製作秘話、木のおもちゃや子どもたちへの想いを伺いました。☆人と人の縁(えん)で出来た「TSUMIBOBO」大学を卒業し教師として4年間働いた上野さんが故郷へ戻り、木工の修行を始めた当初、日本の木のおもちゃの自給率が1%足らずだと聞いて驚いたそうです。また、実家が営む家具製作の世界では針葉樹を使うことは常識外であり、日本の山の現状を知っている木工作家さんは少なく、上野さんもその1人でした。上野さんは、知り合いに誘われて山の現場を見聞きした際に、大量にチップにされる針葉樹の使い方に疑問を持ち、日本の針葉樹(スギ)を使って何とか良い製品を作りたい、もっと多くの人に使ってもらいたいと考えたことが、TSUMIBOBO作りのきっかけになりました。その後も、さるぼぼをモチーフにしたきっかけ、ネーミングをローマ字にしたきっかけ、入れ物を紙製の箱にしたきっかけ、その時々でちょうど良いタイミングでつながった人たちからのアドバイスによってできた産物だそうです。人と人の縁(えん)で生まれたTSUMIBOBOが今はたくさんの方との縁を作ってくれている、と上野さんは言います。☆『プレイヤーズファースト』の想いその後、上野さんの実演を交えながら、TSUMIBOBO約1200個で実際に遊びました。上野さんが大事にしているのは『プレイヤーズファースト』。遊ぶ子どもたちが味わう楽しみ・学び・発見を想像しながら木のおもちゃの形、大きさ、素材は考えられています。研修受講者は、最初は1人で、その次は2人で、その次はグループで遊びながら、それらを体感しました。最後には、TSUMIBOBO以外のぎふの木のおもちゃも交え、4人1組で積み木を積んで作品を作りました。隣の人に好きな積み木を数個渡し、渡された人はそれを積む。これを繰り返すことで、自分の意図だけでなく、グループメンバーとの関わりの結果で作品が作りあげられていきます。研修も終盤ですので、皆さんだいぶ心がほぐれてきたからなのか、個性が表に出てきます。そうそう、子どもたちの遊びもこんな感じ。木のおもちゃは「コミュニケーションツール」とも言われます。それを存分に感じられる研修になりました。MORINOTAYORI 6