ブックタイトル森林のたより 829号 2022年10月

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概要

森林のたより 829号 2022年10月

普及コーナー中濃地域のスマート林業への取り組みについて■中濃農林事務所林業課土屋幸弘すし、NPO法人杣の杜学舎も自力で導入するなど、管内において急速に普及が進んでいます。その結果、当管内では森林整備補助事業の申請面積のうちGNSS測量によるものが、昨年度の約4割から今年度は8割を超えるまで増加する見込みとなっています。ドローン(オルソ生成ソフト含む)ドローンは、中濃森林組合が令和2年度に導入しました。新植地等において、撮影した写真により作成したオルソ画像を用いて補助金申請ができるようになりました。これまでのところ、オルソ画像による申請はありませんが、今後、大面積の新植地があれば申請があるのではないかと考えます。なお、その他の利用について、現時点では対象ではありませんが、幼齢木保護材ごと倒れた苗木の雪起こしについては、実施の前後の写真により実施状況が確認できることから現地検査の省略ができるのではないかと考えています。木材検収システム(有)フォレスト板取では、今年度、木材検収システムを導入しました。管内では、中濃森林組合の他に木曽三川水源造成公社も令和3年度に導入しています。中濃農林事務所では、今年2月に飛騨市森林組合の上崎課長を講師に迎えた研修会を開催するなど一層の活用を支援しているところです。GNSS測量機器GNSSは、アメリカのGPSの他、日本やロシア、EU等他の衛星も利用した測位システムです。近年、日本の衛星「みちびき」からの情報等により高精度な測位ができるようになっています。(ここでのGNSS測量は、DGNSSやRTK―GNSS等相対測位のものをいいます)当管内では、まず初めに令和2年度に中濃森林組合が導入しました。令和3年度からの森林整備事業補助金申請に活用するため、6月に森林組合及び農林事務所職員を対象に研修会を開催したところ、現場での測量作業や内業も含めて、大幅に労務の軽減が図られ、また、精度も十分に基準を満たすことがわかりました。特に、送電線等の影響を受けにくいことや測点間の視通が不要など森林組合内では大変好評で、これまでに延べ3台のGNSS測量機器を導入するに至っています。その他にも(有)フォレスト板取も今年度から導入していま近年、ICT(情報通信技術)などの新技術の開発が著しく進展していますが、森林・林業分野においても、新技術を積極的に活用し、森林管理や林業の効率化等を図ることが期待されています。本県でも、令和2年度から補助事業の創設等により「スマート林業」への取組みを支援しています。今回は、中濃管内における取組状況を紹介させていただきます。OWL(地上レーザー計測システム)OWLは、令和2年度に中濃森林組合が導入しました。実際に約1haの林分でOWLと毎木調査の比較をしたところ、左記のような結果となりました。OWLが、対象外の樹種もカウントすることや、胸高直径においては扁平を考慮しないこと等により若干、材積が多めになる傾向はありますが、それでも、測量に係る労務の大幅な軽減は、大きなメリットです。その他にも、現地に行かなくても森林所有者に林内の状況を自由に見せることができることは、施業の集約化等に大いに役立つと考えられます。OWL毎木調査現地計測時間約半日約2日必要最小人数1人2人本数800本779本図1OWLと毎木調査の比較研修の様子赤い四角は、10m×10m赤丸が倒れているもの、青丸は立っているもの(斜立含む)被害率は、10本/21本=47.6%表1毎木調査との比較MORINOTAYORI 14