ブックタイトル森林のたより 833号 2023年2月

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森林のたより 833号 2023年2月

森林環境譲与税のお悩み相談は、第3弾地域森林管理支援センターへ~地域課題の解決に、森林環境譲与税を使ってみよう!~地域森林管理支援センター長荻巣京都府向日市にある「竹の径」をご存じでしょうか?海外の観光客にも人気が高い嵯峨嵐山の「竹の道」も素晴らしいですが、「竹の径」も捨てたものではありません。1.8kmに及ぶ並木は、散策の価値が大いにあります。岐阜県においても竹は、珍しい植物ではなく、身近な存在として、古来より親しまれてきました。しかし、竹は、放置していくと荒れ放題。聞き取り調査から、その取扱いに、結構悩んでいる自治体も多いことがわかりました。そもそも竹は、「木」なのか「草」なのか生態学の専門家は、「どちらとも言えない」と口を揃えられます。確かに、木にしては年輪がないし、草では、大きすぎるし、特徴からするとその通りです。しかし、どこかに分類しなければ行政管理できないこともあり、森林法では、森林の定義に、「木竹」と標記がなされ、竹林は森林整備の対象とすることができます。今回、悩みの多い竹林整備に関する「専門家による勉強会」を昨年12月に開催しました。9市町の参加があり、午前中に現地研修、午後から座学を実施しました。専門家を講師に招いての勉強会岐阜県には、統計上、約1000haの竹林があり、そのほとんどが美濃地域に分布しています。中でも可茂地域の河川沿いに多く分布しており、可茂森林組合が自治体からの依頼をうけ、竹林整備と成果物である竹の活用を試行錯誤しながら実施してきました。今回、その現場に赴き、可茂森林組合の井戸参事から、整備手法と竹をチップ化し歩道舗装に活用する事例を学びました。井戸参事からは、「意義のあるやりがいのある仕事」だとコメントを頂きました。雅俊次に、可児市の「木曽川左岸遊歩道友の会」の丹羽会長からお話を聞きました。半世紀以上放置され、不法投棄の温床になる心配のあった荒廃した竹林を、地域住民の手で、整備していった経緯について講義を受けました。現在の様子は、写真のとおり「かぐや姫の散歩道」として、国定公園にふさわしい景観となっています。将来は、きっと、歌川広重の描いた太田宿に勝るとも劣らない風景がこの地でみられることでしょう。午後からは、現地研修で得た知見をより確かなものとするため、岐阜県森林文化アカデミーの栁沢直教授を招いて、竹林整備について座学を実施しました。まず、竹の生態的な特徴、竹林の拡大等について学びました。次に、竹林整備について、竹の伐採方法、侵入を防ぐ方法、竹の利用について学びました。受講者からは、「竹の侵入を防ぐため、1m程度の溝を掘ったが侵入を食い止めることができなかった。どうすればよいか。」等の具体的な質問もあり、活発な議論がかわされました。勉強会後の受講者アンケートからは、有意義であったという意見の他、「チップ材としての利用方法をさらに模索したい」、「竹チップの肥料の効果に興味をもった。」等、次のステップへの発展を期待する意見もよせられました。折しも、岐阜県では、この4月から「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進条例」が施行されます。竹の利用も産官学協力のもと加速させていかなければならないと感じました。最後にかぐや姫の散歩道みち竹チップの活用当センターでは、昨年9月に弁護士、10月には、土地家屋調査士による専門家を招いての勉強を実施し、今回の勉強会で3回目となりました。特に今回のように、地域特有の森林整備の課題を解決するために森林環境譲与税の活用を目指すことは、非常に有効的な税の利用方法であると認識しました。栁沢教授の座学の様子森林経営管理制度や森林環境譲与税に関するお悩み相談は?「地域森林管理支援センター」までTEL:058-201-5013 FAX:058-275-4398 E-mail:f-shien@g-moriren.or.jp〒500-8356岐阜市六条江東2丁目5番6号岐阜県森林組合連合会内5MORINOTAYORI