ブックタイトル森林のたより 835号 2023年4月

ページ
11/18

このページは 森林のたより 835号 2023年4月 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 835号 2023年4月

ZEHの標準化で木造建築が注目活かす知恵とを森林人123●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー教授●辻充孝●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまでト、節水型水栓や高断熱浴槽等の活用で半減できます。省エネ家電やLED照明、断熱強化で暖房を減らすことも忘れてはいけません。そのうえで、日射が十分に当たる立地であれば太陽光発電を載せることでZEHに向かっていきます。3.ZEHで木造建築が注目このように近い将来はZEHが当たり前の時代が待っています。そうなると、図1の居住時のエネルギーがゼロになるので、さらなるエネルギー削減には、部材製造時や改修時の対策が中心になってきます。これは木造建築が非常に有利なのです。製造エネルギーは鉄骨造や鉄筋コンクリート造の半分程度ですし、数百年積み上げてきた過去の知見から躯体の改修も比較的容易です。廃棄時にもエネルギーが少なくて済みます。世界の最先端建築のトレンドは木造建築に移行しました。各地で持続可能な建築資材を上手く活用した魅力的な空間が次々と生まれています。木造住宅や木造建築はこれからさらに求められていくでしょう。※1実際には、買電、売電の単価の違いやエネルギーと光熱費の原単位の違いでゼロではないこともありますが、かなり小さくなることは確かです。※2ZEHにはNeary ZEHやZEH Orientedなど、ランクに応じて3つのバリエーションがあり効果も異なります。近年、「ZEH(ゼッチ)」つまりネットゼロ・エネルギー・ハウスという言葉が注目を集めているのをご存じでしょうか。1.居住時のエネルギーこのゼロエネルギーは、居住時のエネルギー(電気、ガス、灯油)がゼロの建物のことです。特に最近は、電気やガスの高騰がニュースになり、実感としても値上がりを感じている方も多いはずです。居住時のエネルギーがゼロということは光熱費もゼロ※1。電気代の値上がりに振り回されることもありません。こんな素晴らしい家はどこか夢の話…ではありません。現実に新築(2020年度)の1/4がZEHの性能※2になっています。ZEHを作るのは難しいことではありません。省エネを推し進め、太陽光発電などの創エネで、使用するエネルギー以上の電力を生み出せばZEHになります。国としても2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、国交省、経産省、環境省の合同ロードマップで2030年には新築建物はZEHを目指すとされています。そのため、数年の内にZEHが標準化されていくでしょう。2.ライフサイクルで考える住宅のライフサイクルで考えたエネルギーは、居住時が6~8割を占めます。そのため、居住時のエネルギーがゼロのZEHが注目を集めているのです。(図1)日本のエネルギー自給率は12%しかありません。つまり生活基盤の9割近くを海外に依存しています。自給率向上には、エネルギー消費を減らし、創エネを増やすしかありません。ZEHで居住時のエネルギーを削減するのは当然と言えます。居住時エネルギーの内訳は、給湯が1/3程度を占め、家電や暖房、照明が続きます。(図2)つまり、省エネの最重要項目は給湯です。太陽熱温水器の活用や高効率エコキュー図1 50年居住した場合の木造住宅のライフサイクルエネルギー[MJ/年]図2一般的な暮らし方の居住時のエネルギー消費の内訳暖房17%冷房7%換気6%給湯31%照明13%家電22%調理5%18,1611,44068,39518,589832010,00020,00030,00040,00050,00060,00070,00080,000部材製造時施工時居住時改修時廃棄時1111 MORINOTAYORI