ブックタイトル森林のたより 835号 2023年4月

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概要

森林のたより 835号 2023年4月

普及コーナー再造林技術研修を開催しました林業普及指導員河原誠二■下呂農林事務所林業課けた後に意見交換を行いました。意見交換では、「ヒノキの成長特性を考えると、ツリーシェルターの設置によってスギよりも樹形異常が発生しやすいと考えられる」「ツリーシェルターは樹形異常、風・雪による破損があるため維持管理が必要」「柵は急傾斜地や谷地形で壊れやすく、定期的なメンテナンスを行わないとシカに侵入される」「柵の網目は5cm以下にしないとウサギに侵入される」といった意見が出されました。ただ、それぞれにメリット・デメリットがあるため、今後も管内の関係者で情報共有を図り有効な対策をとるようにすることとなりました。意見交換後、ツリーシェルターの設置により樹形異常が発生したヒノキの様子を観察しました。・ツリーシェルター以外の獣害対策技術について学ぶ。〇森林土壌・植栽樹種選定のため重要な森林土壌を観察し土壌型を判定する。講師は獣害対策については研究所の片桐主任研究員、森林土壌については茂木部長に依頼しました。また、先行的に主伐・再造林に取り組んでいる国有林の知見からアドバイスを得るため林野庁中部森林管理局岐阜森林管理署と森林技術支援センターにアドバイザーとして出席を依頼しました。また、県内の情報を得ること、管内の被害対策の状況について知ってもらうことを目的に、岐阜県林政部森林経営課にも参加を呼びかけました。研修の開催研修を開催した令和4年11月29日は雨となってしまいましたが、管内の森林技術者5名の参加を得て開催しました。〇獣害対策研究所片桐主任研究員から獣害防止対策のうち、忌避剤散布、ツリーシェルター、防護柵のメリット・デメリットについて説明を受樹形異常の発生令和2年にヒノキを植栽し、ツリーシェルターを設置した事業地において樹形異常が発生したと報告を受けました。獣害対策としてツリーシェルターの設置を選択する事例が増えてきていますが、ヒノキでの事例が少ないため、情報収集を目的に岐阜県森林研究所(以下:研究所)に問い合わせをしました。研究所でもヒノキに対するツリーシェルターの影響を調査した事例が少なくなく試験地を設定したい意向があることが分かりました。そのため、管内でヒノキの樹形異常が発生した事業地内で試験地を設定することに協力することになりました。研修の企画研究所が試験地を設定することを好機ととらえ、管内の森林技術者を対象とした再造林技術研修を開催しようと考え、次のとおり企画しました。〇獣害対策・ヒノキにツリーシェルターを設置したことにより樹形異常が発生した状況を観察し問題点を知る。意見交換の様子MORINOTAYORI 14