ブックタイトル森林のたより 836号 2023年5月

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概要

森林のたより 836号 2023年5月

この度の異動で林政部長を拝命しました。重責に身の引き締まる思いですが、皆さまのご協力をいただきながら、精一杯努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。本年4月1日に、「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進条例」が施行されました。この条例では、建築物だけでなく、家具、木質バイオマス、土木工事の資材など多様な分野での県産材利用拡大に、市町村、事業者及び県民等のご理解ご協力のもと、「オール岐阜」体制で推進することとしています。具体的には、県で新たに整備する建築物は、関係法令や基準等の範囲内で原則木造化します。また、民間の非住宅建築物の木造化を促進するため、木造構造設計の専門家による相談窓口を設置するほか、県と事業者で県産材利用を推進する協定制度を創設し、県は協定に基づく取組みを支援してまいります。さらに、県産材利用の機運を醸成するため、県民のみなさまにご参加いただくフォーラムを県庁ミナモホールにおいて開催します。また、森林・林業に対する県民の理解を醸成するため、「ぎふ木遊館」と「森林総合教育センター(morinos)」を核として、森とのつながりや森林文化の豊かさを段階的、継続的に学ぶ機会を提供します。具体的には、市町村等が行うぎふ木遊館サテライト施設整備への支援や、地域で活動する木育・森林環境教育の指導者が情報交換を行う交流会の開催等を通じて関係者のネットワーク化を図るなど、「ぎふ木育」の全県展開を推進します。一方、脱炭素社会の構築が世界的に叫ばれる中、森林の二酸化炭素吸収源としての価値は日増しに高まっています。このため、国のJ-クレジット制度を活用して森林の二酸化炭素吸収量のクレジット化を進めるとともに、同制度では対象とならない森林を対象に二酸化炭素吸収量をクレジットとして県が認証する「(仮称)G-クレジット制度」について、本年10月の施行を目指し、準備を進めています。また、コロナ禍によりデジタル化が一気に進展する中、リアルな体験ができる森林空間へのニーズも高まっています。本年1月に設立された「ぎふ森のある暮らし推進協議会」とともに先進事例の紹介を行うセミナー等の開催を通じて森林サービス産業を振興し、山村地域に新たな雇用を創出してまいります。そして、本県の森林・林業・木材産業をより一層推進していくためには、森林技術者の確保・育成が最大の課題です。このため本年度から、既存の岐阜県林業士制度を見直し、段階別の資格制度を創設することで、森林技術者への門戸を広げるとともに、キャリアアップへのモチベーションを高めることにより、人材の育成と確保を推進してまいります。いずれにいたしましても、様々な施策を通じて、本県の森林・林業・木材産業をより一層推進してまいる所存ですので、皆様のご支援、ご協力をお願いしまして、就任のご挨拶とさせていただきます。就任のご挨拶岐阜県林政部長久松一男林政部の令和5年度一般会計当初予算の総額は、181億8,735万9千円で、前年度と比較して5億3,165万8千円、率にして2.8%の減額となっております。これは木材加工流通施設の整備に係る国庫補助事業において補助要望額が減少したことによるものであり、この影響を除けば前年とほぼ同程度の予算規模となっております。林政部では、令和4年度からスタートしました「第4期岐阜県森林づくり基本計画」において、「「清流の国ぎふ」の未来を支える森林づくり」に取り組んでまいります。計画の施策の柱は3本あり、1つ目は、「森林づくりの推進」です。近年の豪雨災害により、森林・林業分野でも多大な被害が発生したことを受け、「災害に強い循環型の森林づくり」を推進してまいります。また、担い手不足に対応するため、「森林技術者の確保・育成・定着」に引き続き取り組んでまいります。2つ目は「林業・木材産業の振興」です。昨年12月に制定し、本年4月1日に施行した「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進条例」に基づき、県有施設や民間施設等の木造化、内装木質化等を進め、「都市の木造化・脱炭素社会の実現に向けた県産材の需要拡大」を推進いたします。また、県産材の安定供給に向け、「DXの推進による林業・木材産業改革」を進めてまいります。3つ目は「森林の新たな価値の創造と山村地域の振興」です。「ぎふ森のある暮らし推進協議会」への活動支援などを通じて、森林空間を活用し、新たな雇用と収入を生み出す森林サービス産業を育成するほか、新たな森林吸収クレジット制度を構築してまいります。また、誰もが身近に「ぎふ木育」を体験できるよう、市町村等と連携したぎふ木遊館サテライト施設の整備支援や、ぎふ木育指導者等のネットワーク化など、「ぎふ木育」の全県展開に取り組んでまいります。岐阜県林政部予算のあらまし令和5年度以下、主な事業をご紹介します。重点施策:森林づくりの推進1激甚化する災害に備えた山地防災力の維持・強化頻発化、激甚化の傾向にある豪雨災害から、県民の生命・財産を守り林業の振興を図るため、治山施設と森林整備を組み合わせた山地防災力の維持・強化と災害に強い森林作業道の整備を推進します。?治山施設と森林整備を組み合わせた事前防災地区による面的防災力の強化(875,074千円)・市町村や林業事業体と連携した事前防災地区を設定し、間伐などの森林整備と、不安定土砂の移動を防ぐダムの設置等の治山対策を総合的に実施?山地災害危険地区における治山施設整備の推進(2,380,950千円)・防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策として治山事業を実施し、土砂災害発生リスクが高い山地災害危険地区の整備を推進?治山施設の災害対応力強化と長寿命化(342,100千円)・治山施設個別施設計画に基づき既存治山施設を維持修繕するとともに、嵩上げや流木捕捉施設の追加等の機能強化対策を推進?災害に強い作業道づくりの推進(5,000千円)・既設森林作業道において路盤や排水処理施設の整備等機能強化を支援し、安全性や耐久性を向上2100年先を見据えた森林づくりの方向性と仕組みづくり100年先の望ましい森林の姿を示す森林配置計画に沿った森林づくりを促進するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するため、森林の若返りや二酸化炭素吸収効果の高い早生樹の試験研究などに取り組みます。?森林の成長を促す間伐への支援(2,642,377千円)[一部再掲]・森林配置計画の配置区分それぞれの目的に沿った間伐に対して助成?若返りを進める再造林への支(援232,395千円)・再造林への重点的支援により、森林の若返りや造林未済地の解消等を促進新?二酸化炭素吸収効果の高い早生樹の試験研究の推進(2,780千円)・早生樹の活用を推進するため、安定生産に向けた苗木育成資材の開発や新たな樹種(キリ)の実証試験等を実施?防護柵設置等の獣害対策への支援(8,743千円)・シカ等による苗木の食害やクマ等による立木の樹皮被害を防ぐため、防護柵の設置やテープ巻き等に対して助成MORINOTAYORI 4