ブックタイトル森林のたより 838号 2023年7月

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概要

森林のたより 838号 2023年7月

普及コーナー36山づくりに真摯に向き合う~森林所有者の自主的な取組の支援~林業普及指導員柘植孝久■西濃農林事務所【写真1】植栽されたアオギリの大苗(シカ食害を避けるため、H=約3m)事業所では、同事業所内に自生するアオギリの初期段階の成長速度の早さに着目し、同事業所内の緑化木として育成を試みたいと相談がありました。また、同事業所では、同地区内で計画されていた電線の線下伐採に関連して森林所有者から相談を受けていたこともあり、線下伐採地も含めた同者が所有するスギ等の森林約0・82haの皆伐に関わるとともに同伐採跡地の一部に事業所内から株分けしたアオギリを試験的に植栽され、その状況について当所に助言等を求められました。これらに関して、県森林研究所と協働により、現地調査を実施しましたが、現時点では、林地におけるアオギリの成育に関する研究結果等がほとんどないため、県としては情報収集を図っていくとともに、試験状況を見守り、必要に応じて助言するなど支援していくこととなりました。所有森林の最大活用を目指して!養老町養老公園一帯は、上中流域には、日本の滝100選の名瀑「養老の滝」を始め、東海自然歩道や養老山頂登山道が縦断しています。また、下流域には、明治13年に開園した「県営都市公園・養老公園」など、上流から下流まで一帯が「憩いの場」として、毎年約100万人の方々が来訪される、県下有数の森林と人との親和性が高い地域となっています。こうした地域特性から、当所には、以前から地元の森林所有者から当地域ならではの森林の新たな価値を見い出す取組みや見方・考え方などについて相談を受けており、それらを受けて取組みに至った主なものには、県森林・環境税による観光景はじめに当管内の民有林面積は、県内全10農林事務所で最も少ない約2万3千haとなっています。また、林業の主な担い手である「意欲と能力のある林業経営体」も管内を主たる事業所とする者は、西南濃森林組合の1者で、同組合は、森林を有する5市町すべてをカバーし、森林所有者における組合加入率は、県下5位にランクインするなど、同組合が管内森林の主たる林業事業体であることは、数字からも明らかです。一方で、当管内は、森林と人との生活圏が隣接している地域が多いことも特徴です。このことは、当管内の環境保全林率が約82%と全農林事務所で2番目に高く、県平均の約70%と比べて10ポイント以上も高いことからもわかります。以上のような地域特性を有する当管内では、森林組合に施業を任せつつも、森林所有者等が自発的に自ら行動されることもあります。今回は、そうした森林所有者等の自発的な取組みに対する支援など、その一部を紹介します。地域とともに、先ずは自らやってみる!大垣市上石津町牧田地区のとあるMORINOTAYORI 18